関取と筋肉
突然ですが、大相撲観戦が趣味です。
先日の2016年初場所では御嶽海、安美錦といった幕内の力士がインフルエンザで休場しました。
先日の記事にもあるように、インフルエンザウイルスは症状が出ている間は排泄されていますので、休場期間が2日程度で再出場してきたのは大丈夫だったのかちょっと不安になりました。
さて相撲についてどれくらい研究が発表されているのだろう、と興味をもちPubmedで”Sumo wrestler”を検索したところ、面白い論文を発見しました。力士と大学生の体組成の比較、さらに力士の体組成を番付で比較した研究です。
すべての力士をあわせて36人なので、なんともいえませんが、十両以上に上がろうと思うと、やはり筋肉量が必要ということを示唆しています。太ってるだけじゃだめなんです。 新入幕で負け越した輝のことを指してNHK解説の北の富士勝昭さんが「まだ子どもの体だ」と言っていましたが、まだ体格の割に筋肉量が足りないということを相撲人的な言葉で表現したのでしょうか。よく稽古して体を強くして出なおしてほしいものです。 この研究の発表は1999年なので、さらに大型化が進んだ近年の角界でのデータが気になるところですね。
36人のプロの力士と39人の男子大学生の体組成を、デンシトメトリー法で評価した。力士は平均で体重117.1キロ 、BMI36.5と体脂肪率26.2%で訓練を受けていない男性と比較して非常に大きかった。(P <0.001) 力士の番付で分類した分散分析の結果、体重、除脂肪量、脂肪量、BMI、除脂肪量指数(fat-free mass index :FFM /身長2)と脂肪量指数(fat mass index :FM /身長2)に有意差がみられた。体組成の階層的な違いを視覚的に表現するために、力士の脂肪量指数および除脂肪量指数は、身体組成のグラフにプロットした。 関取(十両以上)は、幕下以下の力士に比べて著しく大きい除脂肪量指数を有した。他の力士から関取を区別する除脂肪量指数はカットオフは約30であった。この値は力士が十両以上に昇進できるかどうかの身体計測指標の一つかもしれない。
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