2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« ICAAC 2013 Top 10 papers in Mycology | トップページ | ICAAC 2013 Top 10 papers on tropical & travel medicine »

2013年10月26日 (土)

感染症の週末

このブログのアクセス解析を見るとある特徴に気が付きます。
weekend

明らかにアクセスが平日に偏っています。(検定まではしてませんが)
おそらく仕事中に困った先生方が参考になるものはないかと検索しているのではないでしょうか。そのような先生方の役に少しでも立てばうれしいですね。でもここに書いてある情報の利用は自己責任でお願いします。

曜日の診療に及ぼす影響というのは医療安全の観点からも注目されていて、週末に入院すると死亡率が高い、という論文があるくらいです。感染症診療と曜日の関係はどうだろうと思って検索したらちゃんと調べている人たちがいました。

●土曜日は抗菌薬の処方が多くなるのか?
Behar PRP, Wagner MB, Petersen LC, Boas MRV. Is antibiotic prescribing on Saturdays higher than any other day of the week? Journal of Hospital Infection. 2010 Sep;76(1):84–5.
ブラジルからのLetterです。年間を通じて抗菌薬の処方が曜日によってどう変動するかをまとめたとのこと。

image

キャプションでは□と●が反対になっていますが、木曜から土曜日にかけて入院は減っているのに抗菌薬の処方は増えています。

●曜日によって抗菌薬処方の適正さはかわるか?
Bishara J, Hershkovitz D, Paul M, Rotenberg Z, Pitlik S. Appropriateness of antibiotic therapy on weekends versus weekdays. J Antimicrob Chemother. 2007 Jan 9;60(3):625–8.
イスラエルからの報告です。感染症専門医が2人、曜日をわからなくした状態の救急外来の受診記録を確認して、抗菌薬の処方の適正さを評価しています。評価の基準が表になっています。

image

その病院でどんな処方が適切かは地域の細菌の感受性などにもよるので一般化はできませんが、これはこれで面白いdス。女性の単純な膀胱炎にキノロンは不適切、とか肺炎にもキノロンは不適切になっています。胃腸炎には何も出さないのが適切、とか原則に忠実に評価です。もちろん後出しジャンケンで評価しているので割り引いて考える必要もあるとは思います。
さて曜日ごとの違いはどうだったかというと、
image

著者らは多変量解析も行って曜日が不適切処方と有意に相関したとしています。金曜、土曜が特に悪いようです。なぜ日曜日はよいのでしょう?文化の違いかもしれません。


診療も人間の行うことなので人間のコンディションに影響を受けるのは仕方がないところではありますが、できるだけばらつきがでないように人的な配置ができるのが望ましいのでしょう。平日にやっていないことが週末にできるわけはないですので、地道な抗菌薬の適正使用の推進が大事です。

« ICAAC 2013 Top 10 papers in Mycology | トップページ | ICAAC 2013 Top 10 papers on tropical & travel medicine »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 感染症の週末:

« ICAAC 2013 Top 10 papers in Mycology | トップページ | ICAAC 2013 Top 10 papers on tropical & travel medicine »