MSSA菌血症に対してβラクタムはみな同等か?
Are all beta-lactams similarly effective in the treatment of methicillin-sensitive Staphylococcus aureus bacteraemia?
Clinical Microbiology and Infection.
MRSAの菌血症のマネジメントは話題になることが多いですが、
MSSAについては意外と文献が少ないものです。
ヨーロッパの雑誌にでたのを教えてもらいました。
MSSAの菌血症の治療にβラクタムはお互いに同等なのか、ということにフォーカスした
後ろ向きのCohort studyです。
Clinical question
MSSAの菌血症症例からエンピリックな治療にβラクタムが使用された例を解析。
・クロキサシリン/ペニシリン(感受性あれば)/セファゾリン
・セフロキシム
・CTX/CTRX
・βラクタマーゼ阻害剤配合βラクタム(βL/βLIと書きます)
・その他のセファロスポリンとカルバペネム
Definitiveの分類は3種類:
・クロキサシリン/ペニシリン
・セファゾリン
・その他のβL
Empiricにもっと広域なβLが入った人とではPatient characteristicsが有意に違った。
この違いを補正しないで死亡率を比べるとClox/CEZ群22.1%(29/131)、
セフロキシム34.7&(34/98)
CTX/CTRX50.5%(98/194)
その他のセファロスポリンなど28.1%(16/57)
バンコマイシンなしのEmpiric治療群とは死亡率の差はなし。
その他のβL0.81(ただしVCMが併用されているものが多い)
Discussionでは
South Med J 2005; 98: 590–595.
Scand J Infect Dis 2003;35: 311–314.
ということでこの論文の結論は
・MSSAの菌血症のエンピリック治療はCEZや半合成ペニシリンの方が死亡のORが低かった。
・Definitive治療でCEZと半合成ペニシリンは死亡のORは同等であった。
ということになっています。
個人的にはABPC/SBTとCEZがDefinitive therapyとして同等なのかが興味が
あるのですがこの結果からはなんともいえないですね。
Staphyloccus aureus bacteremia (SAB) はなかなか興味深いので、
自分も何か研究のネタがないかと思っていますが、面白そうなものが思いつきません。
48例集めたら「SAB48」として発表できるでしょうか。
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