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2010年8月

2010年8月 5日 (木)

箱の中で考える

あまりにも更新が滞ったので短い記事でも書いてみることにしました。
5月病の後は梅雨で元気がなくなり今は暑さでやられているのかもしれません。

こんなに更新していないのに1日にちょっとずつアクセスがあるのが不思議です。

今週のNEJMのClinical problem solvingです。
Thinking inside the Box

まだ読んでいない人はネタバレ注意。

Infliximab投与中の62歳女性が発熱、嘔吐、下痢で受診。
心エコーで心室中隔に付着するmassが見つかるが血液培養は陰性。

ds-DNA抗体が陽性で、顔面に皮疹もでたので薬剤性のSLEとしてステロイドが投与
されたが、しばらくして突然心停止。

血培を再検したらグラム陽性桿菌を検出。
見つかったのはListeria monocytogenes。
剖検では心筋の壊死が見つかった。
という症例でした。

Commonとは言いがたい病原体のまれなプレゼンテーションなので診断を付けるのは
大変ですが、TNF阻害剤を投与されている人にはやはり細胞内寄生菌を考えなくては
ならないとコメンテーターは指摘しています。

Think in the boxとは「型通り考える、常識にとらわれた考え方をする」という
意味だそうですが、このタイトルの”Box”は、FDAが発表したInfliximabの
”boxed warning”とかけています。
このBoxed warningとはInfliximab投与中に結核や侵襲性の心筋症、Listeriaを含む
細胞内寄生菌による致死的な感染症がみられたことを警告するものです。

イギリスで発表されたTNF阻害剤を投与された人の大規模な市販後調査では
11000人中、19人が細胞内寄生菌の感染。
内訳は結核10例、レジオネラ2例、 Listeria3例、M. fortuitum1例、Salmonella3例
だそうです。

感染症医は型通りに考えつつ、この箱に入れられたまれな感染症に足元を
すくわれないようにしなくてはいけませんね。

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