2016年2月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2010年4月 | トップページ | 2010年8月 »

2010年6月

2010年6月 2日 (水)

答えは風の中に

またもや更新が滞ってしまいました。
5月病だったのかもしれません。

先日ジャーナルクラブで読んだネタです。
カテーテル関連血流感染症を疑う時に、カテーテル血と末梢血を1セットずつとって診断することがありますが、もし複数のカテーテルのルーメンがある場合にどのルーメンからとるのがよいのか?という論文です。

Guembe M, Rodríguez-Créixems M, Sánchez-Carrillo C, Pérez-Parra A, Martín-Rabadán P, Bouza E.
How many lumens should be cultured in the conservative diagnosis of catheter-related bloodstream infections?
Clin. Infect. Dis. 2010 Jun 15;50(12):1575-1579.
PMID: 20455693

どうでもいいですが、タイトルを見たらボブ・ディランのBlowin' In The Windを思い出しました。

スペインからの報告で、この施設ではカテーテル関連血流感染症を疑った場合に末梢血と、カテーテルのすべてのルーメンからの血培を取るのがスタンダードになっているようです。
この論文ではいくつのルーメンからの血培が陽性になったを数えて、
「もし1つのルーメンからしかとらなかったらどれくらい見逃す可能性があるか?」
を計算しています。
カテ感染の診断はDifferential time to positivityかDifferential colony countでやっています。

(詳しいことはIDSAのガイドラインで)

さて結果は
ダブルルーメンの場合
1ルーメンから陽性:65/112→54.5%
2ルーメンから陽性:51/112→45.5%

トリプルルーメンの場合
1ルーメンから陽性:28/59→47.5%
2ルーメンから陽性:10/59→17.0%
3ルーメンから陽性:21/59→35.6%

故にダブルルーメンのカテーテルで1ルーメンからしかとらなかった場合、カテ感染を見逃す確率は27.2%。
トリプルルーメンでは1セットのみで37.3%の見逃し、2セットのみでは15.8%の見逃しの確率。
という結果でした。(詳しい計算の過程は省略)

結論はもちろん、
「複数のルーメンがあるカテーテルのカテ感染を疑ったら全てのルーメンから血液培養をとるべきである」ということでした。
「そんなのめんどくさいからさっさと抜くよ」という意見もありそうですが・・・。

« 2010年4月 | トップページ | 2010年8月 »