2016年2月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 脳膿瘍の歴史的レビュー | トップページ | 膿胸はやっかいだ »

2009年12月17日 (木)

セファロスポリン感受性で帰ってくるESBL産生菌

ESBLは第3世代のMIC値がSの範囲内にでることがあるとい

うのは以前から問題になっています。

感受性があるとでているESBL産生菌のセファロスポリンによる治療の失敗。
Paterson DL, Ko WC, Von Gottberg A, Casellas JM, Mulazimoglu L,
Klugman KP, et al.
Outcome of cephalosporin treatment for serious infections due to
apparently susceptible organisms producing extended-spectrum
beta-lactamases:
implications for the clinical microbiology laboratory.
J Clin Microbiol. 2001 Jun;39(6):2206-12.
PMID: 11376058

In vitroで耐性にでている抗菌薬で治療したら失敗するのは当然だが、じゃあ感受性として帰ってきている薬で治療したらどうなるんだい
というのはこの当時も問題になっていた。実際ESBLでもセファロスポリンで治療しても問題なかったというケースの報告もぽつぽつあった。

米国のデータではESBL産生KlebsiellaでCTX耐性とでていたのは23%のみであったよう。
ヨーロッパでも36%と報告あり。

この報告ではセファロスポリンがSとでた菌血症の人の、セファロスポリンによる治療のアウトカムをまとめている。
CTXまたはCTRXでは16人中9人がTreatment failure
Cefepimeでは5人中4人。
Ceftizoximeでは6人中2人
CAZでは1人いたが、治療は失敗していない。

MICの値でみるとMICが8の人は100%(6 of 6)
MIC <2で27%(3 of 11)

というわけでそもそもそんな効かない薬をSにする基準の方が間違ってるんじゃないか、ということで
CLSIも次回の改訂で腸内細菌科のBreakpointを引き下げることになるらしい、と。
ヨーロッパでは前から低かったようですが。
しかしこの基準ではESBL産生菌以外で少しMICが高めの菌でホントはセファロスポリンで治療できるものでも
Rと帰ってきてしまうのでしょうか。

いずれにせよ、腸内細菌科の中からどうやってESBLを見つけ出すかは大問題ではあります。


ESBLに関する包括的なレビューはこちら。

Paterson DL, Bonomo RA. Extended-spectrum beta-lactamases: a clinical update.
Clin Microbiol Rev. 2005 Oct;18(4):657-86.

PMID: 16223952

Bradford PA. Extended-spectrum beta-lactamases in the 21st century:
characterization, epidemiology, and detection of this important
resistance threat.
Clin. Microbiol. Rev. 2001 Oct;14(4):933-95

PMID: 11585791

« 脳膿瘍の歴史的レビュー | トップページ | 膿胸はやっかいだ »

感染症科」カテゴリの記事

コメント

ブログたまに見させていただきます。
ESBL治療で問題なのは、入院の場合は点滴(FMOXかカルバペネム)で治療に
なりますが、初期の泌尿器科領域の感染で外来治療の場合です。
100%有効な薬剤はいまのところありません。
実はセフェムで使えそうなものがあります。
STやMINO、FOMは感受性検査が必ず必要ですよね。

>おじゃま虫様

コメントありがとうございます。
尿路は薬剤の移行がよいものが多くて、感受性結果と関係なく治療できてしまうことがあってややこしいですね。

少し気になりましたが・・・。
尿路の移行性が良いのは理解出来ますが、問題は泌尿器疾患のみに限定された感染症かどうかです。当然、入院症例であれば基礎疾患やれ、合併症やれと色んな要素が入っています。ウロセプシスと思いきや、血液培養陰性例も半分程度あります。
症状ありきで、プレショックなどになっている場合などST、FOMなどは使えない訳で。
なので、こういったケースを考慮すればセフェムの点滴などは、結果として治療が奏功下と言っても、適切な抗菌薬を選択したかどうかは言いにくいのでは無いでしょうかね?
確かに3世代セフェムで軽快する腎盂腎炎などは山のようにあります。
やはりそういった時にアミノグリコシドをどのタイミングで使用するかなのでしょうが、当院ではコンサルト症例に積極的に使用するようにしています。またアンチバイオグラムの活用も初期治療には良いのかも知れません。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/157615/47037440

この記事へのトラックバック一覧です: セファロスポリン感受性で帰ってくるESBL産生菌:

« 脳膿瘍の歴史的レビュー | トップページ | 膿胸はやっかいだ »