セファロスポリン感受性で帰ってくるESBL産生菌
ESBLは第3世代のMIC値がSの範囲内にでることがあるとい
感受性があるとでているESBL産生菌のセファロスポリンによる
Paterson DL, Ko WC, Von Gottberg A, Casellas JM, Mulazimoglu L,
Klugman KP, et al.
Outcome of cephalosporin treatment for serious infections due to
apparently susceptible organisms producing extended-spectrum
beta-lactamases:
implications for the clinical microbiology laboratory.
J Clin Microbiol. 2001 Jun;39(6):2206-12.
PMID: 11376058
In vitroで耐性にでている抗菌薬で治療したら失敗するのは当然
というのはこの当時も問題になっていた。
米国のデータではESBL産生KlebsiellaでCTX耐性
ヨーロッパでも36%と報告あり。
この報告ではセファロスポリンがSとでた菌血症の人の、
CTXまたはCTRXでは16人中9人がTreatment failure
Cefepimeでは5人中4人。
Ceftizoximeでは6人中2人
CAZでは1人いたが、治療は失敗していない。
MICの値でみるとMICが8の人は100%(6 of 6)
MIC <2で27%(3 of 11)
というわけでそもそもそんな効かない薬をSにする基準の方が間違
CLSIも次回の改訂で腸内細菌科のBreakpointを引き
ヨーロッパでは前から低かったようですが。
しかしこの基準ではESBL産生菌以外で少しMICが高めの菌で
Rと帰ってきてしまうのでしょうか。
いずれにせよ、
ESBLに関する包括的なレビューはこちら。
Paterson DL, Bonomo RA. Extended-spectrum beta-lactamases: a clinical update.
Clin Microbiol Rev. 2005 Oct;18(4):657-86.
PMID: 16223952
Bradford PA. Extended-spectrum beta-lactamases in the 21st century:
characterization, epidemiology, and detection of this important
resistance threat.
Clin. Microbiol. Rev. 2001 Oct;14(4):933-95
PMID: 11585791
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コメント
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ブログたまに見させていただきます。
ESBL治療で問題なのは、入院の場合は点滴(FMOXかカルバペネム)で治療に
なりますが、初期の泌尿器科領域の感染で外来治療の場合です。
100%有効な薬剤はいまのところありません。
実はセフェムで使えそうなものがあります。
STやMINO、FOMは感受性検査が必ず必要ですよね。
投稿: おじゃま虫 | 2009年12月29日 (火) 22時43分
>おじゃま虫様
コメントありがとうございます。
尿路は薬剤の移行がよいものが多くて、感受性結果と関係なく治療できてしまうことがあってややこしいですね。
投稿: efutamd(管理人) | 2009年12月30日 (水) 12時40分
少し気になりましたが・・・。
尿路の移行性が良いのは理解出来ますが、問題は泌尿器疾患のみに限定された感染症かどうかです。当然、入院症例であれば基礎疾患やれ、合併症やれと色んな要素が入っています。ウロセプシスと思いきや、血液培養陰性例も半分程度あります。
症状ありきで、プレショックなどになっている場合などST、FOMなどは使えない訳で。
なので、こういったケースを考慮すればセフェムの点滴などは、結果として治療が奏功下と言っても、適切な抗菌薬を選択したかどうかは言いにくいのでは無いでしょうかね?
確かに3世代セフェムで軽快する腎盂腎炎などは山のようにあります。
やはりそういった時にアミノグリコシドをどのタイミングで使用するかなのでしょうが、当院ではコンサルト症例に積極的に使用するようにしています。またアンチバイオグラムの活用も初期治療には良いのかも知れません。
投稿: グラム染色道場師範手前 | 2010年1月 5日 (火) 22時09分